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「実は苦手だったお菓子作り。」
実は、元々あまりお菓子作りに良い印象がありませんでした。
手作りのお菓子というと、”女の子らしいフワフワした印象”があって、そういう雰囲気が苦手でした。
お菓子をづくりはじめたのは、社会人1年目の23歳の時。
料理の雑誌に掲載されるようなお料理に憧れがあって、そういう雑誌にのるような、料理がつくれるようになりたいと思いました。なんでもできるようになりたいと思ったけれど、お菓子づくりは一番苦手だったので、お菓子づくりから勉強することにしたんです。
ご縁があって、前川一夫先生に出会い、お菓子づくりの楽しさを知りました。
「楽しかったのは、お菓子になる全ての過程」
教室で初めてつくったクッキー。
これがとっても美味しかったんです。
オレンジ皮、レモン皮の清々しい香り、お菓子の焼ける甘い匂いなど、今まで感じなかった感覚。
バターとサトウ、コムギコから、お菓子になる課程がすべて面白かったんです。
スポンジが膨らんだり、クッキーがさくさくしたり、ムースが固まったりするには、すべて化学的な理由があるんだともわかりました。
「お菓子の物語や、その風景が面白くて。」
お菓子といえばショートケーキ、チーズケーキ、、、というイメージだったのですが、ヨーロッパの地方菓子(その地域の特性や名産物を生かしたもの)があったり、歴史的な背景があったり、そいういうお菓子の物語が楽しかったんです。
ヨーロッパに何回か行くにつれて、その地域に根ざしたお菓子を人々が楽しんでいる風景をみたことで、自分の国にある「和菓子」にも興味が湧きました。
和菓子には、繊細な季節感、色彩感覚、日本の行事に根ざしていることが面白いなと。
「お菓子づくりを通して広がった世界。」
生活していくには、必ずしも必要なものではないものに、世界の人々は情熱をそそぎ、伝統をまもりながら、進化していること。
お菓子は一人で食べても美味しいけれど、誰かと一緒にわけあうことで、感動を共有できること。
お菓子づくりができて、教えることを通じて、今まで知り合うことのなかった人々と知り合いになり、視野が広かったこと。
お菓子から、たくさんのことを学べましたし、その分自分の世界が広がっていきました。
「お菓子をつくれることで、自分に自信を持ってもらえたら。」
最初にオープンした教室では、生徒さんが、教えたお菓子を他の人につくってあげて、喜ばれた、という話を聞くのがすごく嬉しかったですね。
教室にこなくなった生徒さんからも、あのとき、教えてもらえたから、一通りのことはできるようになって、海外の赴任先で困ることがなかったと聞いたり。
その生徒さんの娘さんが、「お母さんは何でもお菓子をつくることができるんだよ」と言っていたのも嬉しかったですね。
私も同じように、お菓子がつくれるようになって、初めて自分に自信を持てるようになったので、そんな人を一人でも増やしていけたらいいなと、思っています。
最後にアシスタントを紹介します
美紀さんと楽しくお菓子を作った後は、アシスタントの哲也(夫)が自家焙煎したコーヒー、紅茶などをお出しします。お作りになったケーキの試食と共に、お楽しみいただければ幸いです。